待っていた雨が降りだした。
この夏の展覧会の為、夫々考えた作品を持ち寄って見せるため、信貴山のお寺での錬成会に出かけた。
奈良県では 14日から始まった「ムジーク・フェストなら」が各地で催されている。
この日、信貴山・朝護孫子寺の飛倉(とびくら)でも「奈良の音」をテーマとしたライヴが開演された。
子供の頃お稽古に来ていた I くんが その案内のボランティアをしていて思いがけず出逢った。
例年、この展覧会はテーマを決める。
昨年は古事記1300年に因んだ作品にした。この時は 殆どの人が「奈良」をイメージしたものを書いたので 今年は「大阪」に来年は「京都」にしようという事になった。
「大阪」=大坂、難波、なにわ、浪速、浪花、浪華でも 大阪に関するものなら何でも良い。
それが意外に難しい。
今回は 大人しい作品にしておこうと 大阪に因んだ漢詩がないか調べた。
「突兀城楼俯海湾 春空縦目一登攀 千帆白映洋中島 萬樹青圍畿内山 賣酒店連平野盡 看花舩自上流還 牢晴天氣難多得 凝望斜陽未没間」篠崎小竹作「華城春望」であるが 1781年~1851年の儒学者である。
この時代の大阪は大阪城のすぐ下あたりで寝屋川と淀川が合流して海に流れていたようだ。
この詩を書くだけでは 読み難く判り辛いだろうから 意訳も作品にしようと書いていたが・・・
ある時、「今度はどんな作品?楽しみにしている」と言われ 極平凡な漢字作品だと言ったものの 楽しみにしてくれる人があるのなら 何とかしなければ、と書道以外からヒントになることがないか 色々な本を読んだり TVや映画の中にもヒントになるものがないか?ウインドショッピングをして何か??
中々 見つからない。
このまま 平凡な作品を持参して又考えようかと思っていた。
当日になって~~~
意訳を大阪弁で書いてみよう
そう思って 早速書いてみた。勿論、書き込んだものでなく書稿であるが 粗 こんな風な作品にする旨伝えに行った。作品はこれから煮詰めていく。
意訳は
「高く突き出しているお城の楼閣は大阪湾を見下ろしてるねん そこにいっぺん登って景色眺めてみよ!思ってん 今日はええ天気やさかい登ってみてん ぎょうさん帆掛け船が浮かんでて島もきれいに見えるし山が大阪を取り囲んでるのが よう判ったで ここから見ると遊覧船に乗る人を待つ酒屋さんがぎょうさんあるのも見えるねんなぁ 大阪城のすぐ下に寝屋川と淀川が合流して海に流れてるんやけど花見の客を乗せた船が下ってくるのん よう見えるで 今日みたいによう晴れた日は少ないさかい 夕日が海に沈むまで眺めとくわ」という風に。
但し、作品が完成するまで 変わる可能性はある。
信貴山は 奈良と大阪の境にあり生駒山系で白虎の位置(東西南北のうち西方)であるということで 守護神であるこの白虎が 遷都1300年祭に作られた。
志村動物園で