今年は もうお水取りには出かけないと思っていたが、思いがけず ご招待いただき12日の籠松明と内陣拝観が出来た。
修二会は大仏開眼供養が行なわれた天平勝宝4年(752)より一度も途絶えた事のない行事である。
この行法は 東大寺二月堂の本尊・十一面観音に 世間一般の人々に代わって僧侶たちが世の中の罪を一身に背負い 苦行を引き受け国家安泰を祈る法要で、お松明は その僧侶が登廊を上る足元を照らし先導するためのものである。
今回は 二月堂の欄干から燃え盛る松明を振り回す前に どのようにして点火されるのかを見たいと湯屋の前で繰り広げられる「童子
(どうじ)」の様子を撮らせてもらった。
この日は19時30分加供
(かく)松明が3度登廊を駆け上がり 戻ってくると
いよいよ1本目の籠松明が上堂する。
この日の籠松明は長さ8m、重さ70kもあるそうで11本。竹の先端に薄い松やサワラの板を重ね球状の頭部を取り付ける。火勢と燃える時間を考え 杉の青葉と枯れ葉の割合や量を調節して作る籠松明の製作は数日掛かるらしい。
数日前、この童子さんのお一人が新聞に出ていた。今年で48回目という66才の方であるが この日 その方のお姿を見かけ そのお年とは思えない生き生きとされ とても楽しそうでその場を盛り上げておられるご様子に接することがでした。
この籠松明は一発勝負、事前に試しに担いだりしないそうだ。
毎年、この日は大勢の人が集まる。
まだ明るい午後5時過ぎには もうこんなに待っておられる。
一般拝観者は 身動きも出来ない。
しかし、有難い事に こうしてご招待いただくと二月堂裏参道より上り囲いの中の招待者席に入れていただける。
その後の内陣であるが 練行衆が入堂し終ってから靴を脱いで本堂へ入るのだが ここでも男の行事なのだろう。女は局
(つぼね)席へ入り やや遠くから中の様子が見られる。
「水取りや こもりの僧の沓の音」
芭蕉も聴いたと同じ沓音を 今、聴いている。そんな気持ちになった。
勿論撮影禁止、携帯電話使用禁止である。
13日の未明
(午前2時頃) 若狭の遠敷
(おにゅう)川でのお水送りより10日かけて届いたと言われる神宮寺のお香水が二月堂下にある閼迦井屋の若狭井より汲み上げられる。これが
「お水取り」 である。
この香水は須弥壇の下にある香水壷に移される。
いよいよ奈良は
春 である。
出かけた序でに 頼まれもののせんと君グッズを購入。
JR奈良駅は高架化される桜井線(万葉まほろば線)の供用が13日から始まる。
駅は3階建てで、改札口は2階部分にあり、自動改札機計7台を設置。構内の柱と格子天井には吉野杉を使い、白色を基調とした壁は漆喰をイメージしたという。
5番線まであるホームは3階部分にある。防風スクリーンは緑や黄色のガラス張りで、柱はピンク色。 今後、駅の東西を結ぶ連絡通路を1、2階部分に整備し、工事完了は秋ごろの予定。2階部分には商業施設が入る予定という。
カバーを被った改札機は この日までだったのだろうか?