秋篠寺といえば 伎芸天。
少し首を傾げたお顔が美しく「好き」だという人は多い。
私も京都・広隆寺の弥勒菩薩と共に大好きな仏像である。
写真は何れも 購入した絵葉書であるが右が伎芸天、左が弥勒菩薩。
この伎芸天は重要文化財で 頭部は天平時代のもので乾漆造といい 麻布を漆で張り重ねたり、漆と木粉を練り合わせたものを盛り上げて像を形作ってあるらしい。体部は寄木で鎌倉時代のものらしい。我国に現存する唯一の伎芸天像である。
入口と最初の柱の間から見ると若く見え、右側から見ると円熟した仏様に見えると言われている。
秋篠寺は 奈良時代末期の宝亀7年(776年)光仁天皇の勅願により平城宮大極殿西北の高台に薬師如来を本尊とし造営されたのが始まりとされている。(他の説もあるが)
榊 莫山の『大和千年の路』に 秋篠寺にほれ 伎芸天に恋したのは なんたって川田 順であると書かれている。
諸々のみ佛の中の伎芸天 何のえにしぞわれを見たまふ 順
贅肉(あまりじし)なき肉置(ししおき)の婀娜(たをやか)にみ面(も)もみ腰もただうつつなし 吉野秀雄
秋篠の み寺をいでてかへりみる生駒がたけに日はおちむとす 会津八一
6月6日、1年に一度、秘仏・大元帥明王像の一般公開の日は混雑するが 殆どの日はそれ程多くの人を見かけない。
これが又良い。
綺麗な蝶も のんびりしているように感じる。
今月は2本の映画を鑑賞した。
若い頃(いや、子供の頃?)は テレビもなく映画が唯一の娯楽だった頃は55円ほどで 家族が連れ立って見に行ったが その後、名画と言われる多くの映画が上映された時を経て サッパリ見なくなった時代が長~~くあった。
見なければ見ないで 何の不自由もなし、何処で何を上映しているのかもしらないまま月日は経過した。
そして2011年7月1日 極近くにシネコンがオープンした。歩いて行けることから 普段着のまま、スッピンでも平気で行ける気楽さに 月1程度は観る。
1本は「北のカナリヤたち」
最近は「あなたへ」など邦画も観るようになったが 何しろ長い空白があったので 吉永小百合の映画を観るのも初めて。
殆どの人に 怪訝に思われるが事実である。
最後は涙なくして見られないとは聞いていたが 初めから何故か涙が出て・・・感動なのか何なんだろうと自分でも不思議な気持ちで涙を拭っていた。朝一の上映だったので お昼を食べて買い物をして・・と思っていたが 知った人に逢うと恥ずかしいので買い物も出直すことにしたほど。
あれは何故なのかな?
もう1本は「シルク・ドゥ・ソレイユ」
題名通り 太陽のサーカスである。内容は省略するが この世に生きる同じ人間とは思えない身体の柔らかさを持つ人々に感心しながら鑑賞した。
後で ネット検索すると 元オリンピック選手などもメンバーに加わっているとあった。一日でも欠かすと出来なくなるであろう あの柔らかさを保つ苦労があってこその演技に感動した。